川崎 僕もテニス部だったんですが、同じ経験あります。結局、病気かも? って感じるきっかけがないと気づけないかもですよね?

山本 そうですね。私は、社会人になるまで疑うことはありませんでしたからね。でも、社会人になって、困ることが増えていきました。

会議ではほぼ毎回寝ていたし、毎日のデスクワークはずっと眠たいし、通勤の道でも歩きながら寝ていてびっくりされたり、議事録をホワイトボードに書く議事録担当の時でも、ホワイトボードに向かって立ちながら寝ていたり、営業の時にお客さんが目の前にいる商談の時も、工場見学で工場内を歩いていても歩きながら寝てしまったり……と仕事をする上で支障が出てきたんです。

川崎 仕事へ支障が出るって、寝てしまうことだけでなく、寝てしまうことによる影響だってありますよね……。

山本 まさにそうですね。なので、社会人になってからは、周りからも仕事中によく寝る新入社員という認識だったので、扱いはひどかったですね。

中でも一番きつかったのは、新入社員でいつも寝てしまっていたから、教育担当の先輩やその時の上司に、使えない社員扱いを受けて、すごく冷たく対応されていた時ですね。使えない社員だから、あるプロジェクトの仲間外れみたいなことがあり、とても悲しかったです。それに、教育担当の先輩からもいつも寝ていることをきつく言われて苦しかったです。

川崎 とても共感できます。それに山本さんは病気とまだ分かっていない状態でそれですから、その辛さや苦悩、ストレスの矛先をどこに向けていいのかってなりそうですね。

※本記事は、2021年8月刊行の書籍『ナルコレプシーと生きる ー向き合い方から在り方へー』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。