川崎 ナルコレプシーだとリタリン、モディオダール、ベタナミンが処方薬としてありますが、クライネ・レビン症候群だとどんな治療薬や対処法が?

朝井 治療薬ではリーマスという薬が病相間欠期を延ばす効果があるとされていますが、確実なものではないので、服用しない人も多くいます。私はリーマスではなく起きる薬(ベタナミン)でコントロールしています。それに症状に対する対処法はありません。一度病相期に入ってしまったら最後、何もすることはできないんです。私は年を重ね、症状が軽くなってきたせいか、少し無理して起きていることができるようになりましたが、正常な時と比べるとパフォーマンスはかなり下がります。唯一対処できることと言ったら、周りの人に助けてもらうことだと思います。

川崎 やっぱり、周りの人に助けてもらうって大切ですよね。朝井さんはクライネ・レビン症候群の発症年齢と、診断がついたのはいつですか?

朝井 幼稚園の頃からよく寝る子で、小学校では丸一ヶ月休んだこともありました。その頃、病院では異常なしと言われていたので、正確な発症年齢は分かりませんが、四歳頃かと思います。それから三十三年後、三十七歳の時に診断がつきました。

川崎 幼稚園からですか!? 診断がつくまでけっこう時間ありますね。それまでは、病気と分からずずっと過ごしてきたってことですか?

朝井 そういうことになりますね。

川崎 けっこう発症してから長いかとは思いますが、病気を受け入れられたり、乗り越えることはできましたか?

朝井 私は三十七歳で診断され、病気のことを調べ、すぐに受け入れられました。そのあと、投薬治療を行ううちにいつの間にか乗り越えたような気がします。

※本記事は、2021年8月刊行の書籍『ナルコレプシーと生きる ー向き合い方から在り方へー』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。