まず、医療側から見たフットケアを学ぼうと、私はドイツ式のFoot and Shoe Instituteで医師向けの1日コースを受けました。

このコースでは、足の爪の検査の仕方や、ワイヤーを使った巻き爪の矯正の仕方を習いました。

美容的なフットケアについては、東京にある専門店に行って、足の施術を受けてみました。

美容用途のフットケアセンターはたくさんあって選ぶのに迷いましたが、このセンターはある製薬会社が職員の健康のために開いたものを一般に開放したものだったので、たぶん良心的だろうと判断しました。

私はここで電気やすりを用いた、30分ほどのケラチン除去を受けました。たった1回の施術で、私の足の裏は固い部分が取れ、滑らかですべすべになりました。その効果は著しく、施術後は歩くのにまったく痛みを感じなくなりました。

しかし、数週間のうちにまた足の裏は元のようにでこぼこになってくるので、時々通わなければなりません。

さらに私は、普段の足に関する生活習慣をもう一度見直して、良くない癖は直そうと決心しました。

まず、靴下を5本指タイプのものに替えました。

今までの靴下では、足の指は靴下の中でずっとギュッと押されている状態です。一方5本指の靴下では、1本ずつの指が離れるので、横からの圧力が少なくなります。そして指をもっと自由に動かせるので、歩く際に指の力をもっと使うことができます。

次にパンプスを履くのを止めて、スニーカーやインソールの厚く、柔らかな靴を履くようにしました。

厚いインソールは、歩く時の衝撃を和らげてくれて、より快適に歩けます。そう思って電車の中を見回すと、老若を問わず、スニーカーを履いている人を多く見かけます。

また、雑誌の広告で、ビジネススーツにスニーカーを合わせるという写真も見ました。スニーカーは今はやりのアイテムのようです。

もっと多くの人々が、フットケアに関心を持ってくれると良いと思います。

※本記事は、2021年6月刊行の書籍『認知症のリアル 時をかけるおばあさんたち』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。