なぜゲーム分析で、職場の人間関係の罠から逃れることができるのか?

1-生活のゲーム

これは私たちの日常生活のなかで演じられやすいとバーンが考えたゲームです。

このグループには、整理整頓が行き届いていないといった「あら捜し」をして、相手のミスや落ち度を見つけたら、徹底的に相手を攻撃するという「さあ、つかまえたぞ」のゲームなどが含まれます。

自分とは無関係の他人を攻撃目標にし、次々と標的を替えてゲームを継続するという点が、このゲームの特徴です。

2-結婚のゲーム

夫婦、家族、仲間などの間で感じられる「親密さ」をもとにして演じられるゲームです。

例えば、「親しい間柄なので何をやっても許される」という「ねえ、君」のゲームや、「親しくない相手には不利な判定を下してもよい」といった「裁判所」のゲームなどが含まれます。

3-パーティーゲーム

パーティーなどの公的な場で、相手を攻撃したり、自分のミスに対する相手の非難をかわすといった目的で演じられるゲームです。

公的な場で、相手が何を言っても否定する「イエス・バット」のゲームや、わざとバカげた行動や言動を繰り返して、相手の非難をかわす「シュレミール」のゲームなどが含まれます。

4-セックスのゲーム

これは、女性が演じやすいゲームといわれています。性的に未成熟な人が、ゆがんだ形で相手の性的衝動を利用するゲームです。

例えば、相手を誘惑し、相手がその気になったとたんに手の平を返すといった行動で、相手に嫌な思いをさせる「ラポ」のゲームなどが含まれます。

5-犯罪者のゲーム

セックスのゲームとは逆に、男性が演じやすいゲームといわれています。わざと強盗、賭博、横領、詐欺などの行為を繰り返して、何度も刑務所に入るというように、自分を処罰される側に位置づけるゲームです。

逃げるスリルを味わうために反社会的行為を繰り返すといった類のゲームが、このグループに含まれます。

6-診察室のゲーム

これは、医師と患者の間で行われやすいとバーンが考えたゲームです。

先ほどの「義足」のゲームのように、患者が「自分はこんなに調子が悪いんだ」と主張して、医師から特別扱いを取りつけるといったゲームが含まれます。

バーンは、この場面に含まれるゲームでは、転移などが解消されないために、医師と患者の間で非生産的な治療関係が繰り返されると考え、「診察室のゲーム」として分類しています。

ここで、転移とは、次のような患者の言動のことを言います。『患者が治療者に向ける感情は、本来、過去の重要な人物に向けるべきものを転移している場合が多い。

このような、患者の治療者に対する言動を転移という。』(氏原寛他『心理臨床大事典[改訂版]』)