一方で、六五歳未満では上位にあり、六五歳以上で順位が低いのは、「やることがない状況」「蓄えの少なさ」「孤独や寂しさ」「年金の受給額」でした。

若い世代は、時間や能力を持て余すことや金銭的な問題、孤独感を心配していますが、六五歳以上の人たちにとってそれらは大した心配事ではない。そのギャップは、二〇~三〇%の大差になっています。

おおざっぱに言えば、若い世代は、高齢者は身体は衰えるし、お金には困るし、孤独でやることもないんじゃないかと思っているけれど、それは的外れの想像に過ぎないということです。

現代は、親子の踏み込んだ対話の機会が減っているし、それ以前に高齢期に関する認識のギャップ(高齢者の実感と、それに対する子ども世代の無理解)がとても大きくなっています。

このギャップが高齢者が幸福に向かっていこうとする行動を制限する要因になっているとすれば、この解消は非常に重要な問題と言えるでしょう。

もう一つ、世代間の認識ギャップがよく分かるデータをお見せします。「長寿はめでたいか」「長生きに価値を感じるか」という問いに対する回答を見ていただきましょう。

 

高齢者で、「長寿はめでたいことである」「長生きそのものに価値がある」という人の割合は、歳をとるほど減っていることが分かります。

もちろん、ここまで読んできた方にはお分かりのように、主観的幸福感は歳をとるにつれて上がっていくのですが、「めでたいか」「価値を感じるか」という客観的視点から問うと、そうでもなくなってくる。

※本記事は、2021年8月刊行の書籍『年寄りは集まって住め』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。