ステージ1 「やってほしい」こと〇〇を深く考える

1 -3 「仮説」を立て「試作」して〇〇を決める

○○での、「仮説」と「試作」の例

最初に考えた漠然とした「やってほしい〇〇」

子どものころから鍛えておいたほうが良さそうなリズム感を養うべく、何かしら「楽器は演奏できたほうが良い」気がする。小学校に入ったタイミングでピアノでも習わせてみるか?

「仮説」(もしかしたら)
楽器をやらせたいが、ピアノは習っている人が多い。
本人にやりたい楽器を選ばせたほうが、個性にもつながるのでは?

⇒⇒「試作」(やってみよう)
さりげなく楽器店に連れて行き、興味ありそうな楽器を確認してみる。
その後、その楽器の簡易版もしくは安価なものを買い与えてみて
本当に興味があるのか、1ヵ月ほど様子を見てみる。

⇒⇒⇒「結果」(やってみた)
いろいろな楽器を見て回っていた。
楽器に興味を持っていることは確実だろう。
ピアノを触ってはいたが、すぐに離れた。
見た目が華やかなせいか金管楽器に向かう。
が、最終的に興味あったのはバイオリンのようだ。

結果を踏まえた「やってほしい○○」

本人の楽器への興味が好感触だったので「バイオリンを小学生の間は続けさせる」を進めてみる。

どうでしょうか? 楽器店に連れて行く、くらいのお試しなら日常でも行えると思います。「試作」の楽器店で楽器に興味示さなくとも、いろいろなジャンルの曲や音を聞かせたり、さりげなく音楽番組を見せたりコンサートに連れて行ったりするなど、次々と別な「試作」に進められます。

え? こんなこと? もっと良い試し方があるぞ、と思われたのなら、それを進めてもらうのが良いと思います。「試作」とはその名にある通り「試みる」ことなので、大事なことはどんなキッカケでも思いついたら行動につなげることです。「失敗できない」よりも「何度でもやり直せる」という状況から始めると、気が楽ではないでしょうか?

ですが何となく試すのではなく、新たに「試作」を進める前には必ず「仮説」を立てる必要があります。これは、お子さんに関してのテストをつくっていると考えてみてください。

予想と近いのか遠いのか、「仮説」がないと判断ができません。とはいえ、テストのように点数や正解不正解を求めるものではなく、その過程のなかでお子さんへの理解を深めていき最適な「やってほしい」ことへ近づくことが大事です。

これを繰り返すことで、お子さんへの見方に柔軟性が増してきます。お子さんに「やってほしい」ことなのですから、お子さん自身に「どうなりたいのか?」を聞いてみたり一緒に考えてみるのも良いかもしれません。

お子さんに「やってほしい」○○の核、「コンセプト」が親御さん自身で決められなくても、本人の様子を見たり相談しながら決めていけば自然とまとまっていくはずです。

ゲーム制作でも、ディレクターが一発で「コンセプト」を決められなければ、チーム内で意見や提案のやり取りをしながら決めることもあります。

これも「仮説」と「試作」という意識があるだけで進めやすくなりますし、世にある多くのことに興味を持ち、いろいろな視点で見たり考えたりする癖がついてきます。それは「気づき」として役に立つので、お子さんの新しい面にも出会えるかもしれません。

世のお子さんのすべてが、勉強が好きなわけでも、スポーツができるわけでもありません。「仮説」と「試作」の数が積み上がるほど、常識にとらわれない「個性的な」お子さんであることが期待できそうです。

子どもを楽器店に連れて行き、興味ありそうな楽器を確認してみる

ポイントまとめ

個性の強さや多様性を求める時代だからこそ、お子さんに「やってほしい」〇〇を、みんなやってるから、程度で何となく決めてしまうのはもったいないです。

お子さんに適した将来の「武器」は何なのか、「仮説」を立てて「試作」をし、何度も結果を確認することになっても、
「やってほしい」ことの核である「コンセプト」を見つけるべきだと考えます。

「試作」が失敗し続けても、積み上がった「仮説」や過程が、お子さんを知りうる財産になるはずです。

※本記事は、2020年4月刊行の書籍『ゲームは子育てを助けられる ゲーム制作から考える子育て攻略本』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。