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第1章 なぜ本を読むのか? 本の意味

別に読まなくてもいいではないか……

私の高校・大学時代を考えてみると、読書をしない理由はうなずけます。授業に出て、部活動(サークル活動)に参加し、趣味を一定程度こなし、バイトをはじめ、恋愛なんかを優先させれば、読書にじっくり時間を()いている暇はありません―私の場合は、そんな“リア充”な生活をしていたわけではなく、単に怠けていただけですが。

そんなことを言うと、「勉強は学生の本分だし、余暇活動として読書が大切だ。一日せめて一時間程度の読書時間を捻出できないようでどうする」と言いたいでしょう。気持ちはわかりますが、時間の問題ではないのです。

大学生にとって勉強はもちろん主要な目的ですが、それと同じかそれ以上に運動やサークル活動、社会参加、付き合いも大切なのです。さらに言うなら、よりリラックスした快適な時間を求めているのです。

「読書はいつでもできる。しかし、この社会参加、あるいは男女交際はいましかできない。この活動の方が快適だ」と考えれば、自然と読書以外の方向に目が向くのは当然なのです。だとしたら、「何をさしおいても読書を優先しろ」ではなく、「社会参加や人付き合いを達成するひとつの方法として読書がある」くらいの認識をもってもらうことでちょうどいいでしょう。

読書ありきではなく、あくまでツールとして本を位置づけてもらうことを探るべきなのです。スマホもインターネットもなかった時代に大学生活を送り、それでもかたくなに読書を嫌っていた人間の言うことの方に、圧倒的説得力があるということです。