このゲームは「義足」と呼ばれているもので「自分は……だから今回は勘弁してもらいたい」、「自分の立場は……だから大目に見てほしい」と自分をディスカウント(値引き)することで、自分を守り、相手に責任を押し付けるという目的で演じられます。

なお、「義足」という名称は今日ではあまり好ましくないものと思われますが、バーンの著書や日本におけるゲーム分析のテキストで用いられている名称ですので、混乱を避けるため、本書でも「義足」という名称を使わせていただきます。また、本書を途中から読まれる方もいらっしゃいますので、都度、このような注意書きを添えさせていただきます。こういった点に関して、ご理解とご容赦をお願いいたします。

さて、この例のように、人間関係において、「ゲーム」はいろいろな局面で演じられます。

バーンは、1964年に出版された『Games People Play』(邦訳 南 博『人生ゲーム入門』河出書房 1967年)のなかで、ゲームを次の表にまとめています。

 

なお、表中の日本語訳は、引用図書である「杉田峰康 他 『ゲーム分析 Transactional Analysis SERIES4 』」中に記載されているゲーム名を使用させていただきました。

この表にあるように、バーンはゲームを、それが行われやすい状況に対応させて、7つの場面に分類しています。

※本記事は、2021年8月刊行の書籍『心理学で職場の人間関係の罠から逃れる方法』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。