高崎クラブの会員増強の実践事例

ところが、これまでのところ打率はゼロ割、誰も僕の話に興味を抱かない。誘っている僕の人間性に問題があるのかな、と反省もしてみるのだが、いったい世間様はロータリーをどのようなものだと理解しているのだろうか。

僕が話すつたない講演のなかに、高齢者に対するロータリーの効用を説く部分がある。

それはこうだ。

高齢者の生活に必要なものには、「キョウヨウ」と「キョウイク」の二つがある。

「キョウヨウ」とは「今日、用がある」のこと、「キョウイク」とは「今日、行くところがある」の意味だ。

お分かりいただけただろう。ロータリーの例会はまさにこの二つが備わったシニア会員向けの集いとも言えるのだ。だから、シニア会員は例会出席率が優秀なのだ。常に一〇〇%出席が可能な状態だ。なんなら、週に二回や三回でも出席できる。いや、出席したいのだ。キョウヨウとキョウイクが一週間のスケジュールの柱になっている。

前置きが長くなった。

会員増強会議の展開はこうだ。まず、会議に参加するにあたり、構成員は一人につき一○人の候補者リストを作ってくること。それが例えば五人集まれば、総計で五○人になるはずだが、そうはいかない。何人かの候補者はダブり、せいぜい二○人くらいに集約される。ただ、その候補者が入会する確度は格段に高くなる。会議の構成員が皆知っている人たちだからだ。次いで、そのリストを元に優先順位を付け、まずA君が候補者に電話をする。その時、候補者が入会にためらいを見せると、すかさずA君は、「実は君を推薦しているのは僕だけではない。君を推薦するB君も隣りにいる。B君に代わるから彼からも話を聞いてみてくれ」と電話をB君に渡す、それを次にC君にも、と続けると大抵は入会を承知することになる。