例えばエアロビクスであれば、初級エアロ、初中級、中級、そして上級といった具合です。インストラクターも女性も男性もいて、説明が丁寧な人、ユーモアのある人、元気いっぱいの人など好きな先生のプログラムも選べます。

ジムに通うのと比べて圧倒的に良いことは、DVDを見るようにいつでも自分の好きな時間にできるということです。また、自分がうまくできないところは、繰り返し再生して習うことができます。ステップが複雑でスピードについていけない時は、スローモーションでも見ることができます。

以前スポーツジムでエアロビクスに参加していた時には、難しいステップなどはついていけないうちにレッスンが終わってしまうので、ステップも覚えられずなかなか上達しませんでした。今は、一連の動きを覚えてしまうまで練習できるので、空いた時間などにもステップを踏んだりして運動できます。

逆にデメリットとしては、やはり私のジム友(?)がいみじくも指摘したように、自分で続けるというハードルが高いことでしょう。場所と時間、そしてやり続ける意思がないと、なかなか続けられません。周りにほかの人がいないのは気楽ですが、実際のジムで味わう熱気には欠けます。また、ジムのように大きな鏡はなく自分の姿は見えないので、うまく運動できているかどうか、今一つ確かではありません。

でも、新型コロナで外出がためらわれる今の時代の運動方法としては、ぴったりだと思います。将来的にもっと楽しめるためには、オーディオ技術が進歩し、一般家庭の居間でも、スイッチ一つで四方の壁が鏡になって自分の姿をチェックできたり、大画面スクリーンになって画像や音楽が臨場感あふれるように体験できたりすると、どんなに素晴らしいことでしょう。

さらにIT技術も進歩して、インストラクターの姿がホログラムのように3Dで見ることができたり、ロボット技術が発達してロボットが目の前でステップを踏んでくれたりすると、外出するより家の中でいるほうが絶対楽しくなると思います。

※本記事は、2021年6月刊行の書籍『認知症のリアル 時をかけるおばあさんたち』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。