僕の仕事は、この施設に入っている方の1日の生活の介助をする現場支援員で、4交代制、早番、日勤、遅番、夜勤となっている。朝の起床に始まり、着替え、朝ご飯誘導、食事介助、歯磨き介助、日中活動、昼御飯介助、おやつ、検温、毎日の入浴介助、夕ご飯介助、夜のお茶、そして就寝と入居者をサポートして1日を過ごす。夜間は事務仕事、個人記録、夜間巡回、オムツ交換などだ。

なかなかにハードで、仕事を終えて帰ったらバタンキューで、特に夜勤明けはかなりきつかった。

目の前で人が死ぬということ

そんな業務にも慣れてきた1年と少し経った頃、入居者のOさんの具合が良くなく、発熱が続く事態となった。無論、Oさんは障害のある方なので、まったく自分の症状を訴えることはできない。支援員の客観的判断と日勤在中の看護師さんのケアとアドバイスで対応するしかないのだが、内科医は週に何回かはこの施設に利用者の受診をしにくるだけで24時間診てくれるわけではない。

Oさんの熱が38度くらいある。お茶はよく飲むけれどご飯は食べない。安静にしてもらおうとしても、徘徊してしまう。そんなOさんをケアしつつ、その日、遅番だった僕は仕事を終えた。明日は夜勤だ。お願いだから熱が下がってほしいと思った。

※本記事は、2020年9月刊行の書籍『僕は不真面目難病患者 ~それでも今日を生きている~』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。