必要な資金は自分たちで集める

年末の日本で

年の暮れ、日本の中学生が駅前で募金集めをしていた。複数の生徒が募金箱を両手に抱え、「ご協力お願いしまーす!」と道行く人に呼びかけている。近づいて話しかけてみた。

私:何の募金? 生徒:歳末助け合いの募金です。

私:誰を助けるの? 生徒:困っている人です。

私:困っている人ってどんな人? 生徒:……。

私:日本の人? 外国の人も? 生徒:お金のない人……かな?

私:集めたお金はどうするの? 生徒:赤十字に送ります。あれ、ユニセフだっけ?

私:お金はどんなふうに使われるの? 生徒:……。

私:使い方とか調べたりしないの? 生徒:特には……。

私:募金集めはよくやるの? 生徒:毎年やってます。委員会活動なんです。

私:自分たちのためには集めたりしないの? 生徒:自分たちのためですか……? それは、ちょっと……。

私:………。

うるさいおばさんと思われたかもしれない。でも、募金活動をする日本の子どもたちを見ていると疑問を感じることが少なくない。募金の趣旨をよく理解しないでやっていることがあるのだ。

実施団体や募金の使われ方など何も調べずにただ声をあげている。なんとなく「良いこと」をやっているという気分になっているだけのように見える。少なくとも私が投げかけた質問にはしっかり答えられてもよいのではないだろうか。