荷物 PART11

2019年11月

移民局への支払いは、11月初めまでに完了した。

移民局への支払い完了後、直ぐCompanyから報告がきた。荷物は移民局から最高裁判所に移されたと。移民局は最初から荷物を疑っていた。そして荷物は移民局から裁判所に移された。

Companyの報告によると裁判所は荷物を開けないとの条件で$52,000(約541万円)を荷物引き取リ許可費として裁判所に支払う事を要求している。支払わない時は、荷物はシリアの政府に送られる。この時わたしは荷物の受け取りは諦めようと思った。

次から次に荷物にかかる大金の支払い費用の要求に負担を感じた。

何でウイルソンの荷物を受け取るのに大金を要求されるのか。

Companyに荷物を引き取るのを諦めたと告げた。ウイルソンにも荷物の受け取りを諦めた事を伝えた。またもやウイルソンは電話の向こうで泣いてわたしに哀願する。ウイルソンにとって荷物は命。彼は改めて荷物の中身をわたしに告げた。

現金はアメリカ紙幣で$700,000以上入っている。

それと親から受け継いだ財産目録も荷物の中に入っている。

彼はさらに続けた。絶対、荷物はシリアに返されたくない!

娘のAliceはまだ小さい。Aliceの為にも絶対テルヨに荷物を受け取って欲しい。テルヨに絶対返済する。僕は貧乏人じゃない。テルヨ、Aliceと3人で暮らしてみんなで幸せになろう!

彼は電話の向こうで号泣している。またわたしは彼の哀願にほだされた。荷物はわたしの所に絶対届くという彼の言葉を汲み取った。

裁判所に荷物引き取り許可費用$52,000(約541万円)を支払う事にした。

Companyは移民局の時と同じ個人宛の届け先をわたしに送ってきた。この時もCompanyから送られてきた届け先はニューヨークの個人宛住所。移民局の時と同じように、$52,000を数回に分けてUSPSから送った。