そういえば、ヨガのポーズには犬のポーズがあります。「下を向く犬のポーズ」と「上を向く犬のポーズ」です。

確かにどちらも、犬が起き抜けに背伸びをする際に取るポーズです。

うちには犬が2匹いますが、そのうちの1匹はこれらのポーズがとても上手で、ヨガの先生にしたいくらいです。もう1匹は手足が短めなので、背伸びをしても前後に少し伸びるだけで、上下にはほとんど伸びは見られません。

ちなみに「猫のポーズ」というのもあって、これは、四つん這(ば)いになって、背中を丸めたり伸ばしたりするものです。ほかにも動物の名前が付いたポーズがいろいろあります。

また、「木のポーズ」や「三日月のポーズ」など自然の環境から取った名前もあります。

そして、プログラムの締めくくりは、「屍(しかばね)のポーズ」です。手足を伸ばして寝転がり、全身から力を抜き、瞑想をします。程よい疲れのあとなので、つい眠りそうになります。

クリニックで診療をしていると、「眠れないので薬を下さい」という高齢者の方が多く来ます。

本当は、寝る前ヨガをおすすめしたいところです。でも、ヨガも良いことばかりではなく、頑張りすぎると関節などが痛くなったりします。

私も一時期、股関節が痛くなり、まっすぐに走れなくなったことがありました。幸いそのうちに治りましたが、健康法は、自分の身体の限度を考え、障害にならない程度の負荷をかけ、上手に続けることが大切だと思います。

例えば、ヨガは日常生活とは違う筋肉の使い方をするので、精いっぱいのストレッチをせず、8割程度の少しゆとりがあるくらいで維持するほうがより安全に行えます。

※本記事は、2021年6月刊行の書籍『認知症のリアル 時をかけるおばあさんたち』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。