現代の高齢世代の実態や心理を時代背景から紐解くとともに、豊富な調査やインタビューから丁寧に分析。
その悩みの本質や、健康・お金・交流……、さらに“老後二千万円問題"や“キレる高齢者"などを幅広く考察していく。
そこから見えてきた、人生100年時代の“本当に幸せな健康長寿"の創り方とは?
親孝行、したい時分に“親がいる"——そんな高齢の親を持つ世代も必読。
NPO法人「老いの工学研究所」理事長である著者が、老年期との新たな付き合い方をここに提示する。
今回は、川口雅裕氏の書籍『年寄りは集まって住め』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、高齢者が自身の人生に対してどのように感じているのか、「老いの工学研究所」で実施した『人生の後悔は?』というアンケートの回答を掲出します(なお、誤字・脱字や句読点などは修正し、文字数の関係でその意味を変えないように文章を短くしています。また、内容が似ているものは代表して一つを紹介しています)。
今、思うこと
・夫を亡くしてから、以前の何気ない暮らしが、どれほど幸せなものだったかと今、強く思っています。(七五歳)
・両親と旅行したかった。(七一歳)
・主人が亡くなり、健康面で悪いことばかり起こり、もっとそれ迄元気な時に旅行などで遊んでおくべきだったと後悔した。だから、運動と旅行をしっかりやるようにしましたけど。(七一歳)
・老人ホームに入居してしまったことを後悔している。子供には入居すると早死にするよと言われているから、どうしようかなあと。(八〇歳)
・夫が定年になって以後、もっと自立できるように手助けすべきであった。現在家の中の事、全て妻に頼りっぱなしで嘆かわしい。今さら教育も無理ですしね。(七四歳)
・孤独な家庭で愛情に飢えて育ったためか、人に自分を認めてほしい、好かれたいという思いが強く、親友ができなかった。七〇を越えて、一人になってやっと正直に生きるようになり、友も出来た。遅いけど良かった。(七六歳)
・子供に迷惑をかけないようにという生き方は、疑問に思えてきた。(六九歳)
※本記事は、2021年8月刊行の書籍『年寄りは集まって住め』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。