病気に理解のない教師…「SLE患者」に吐き捨てたまさかの一言

4月に入ったにもかかわらず雪が降っていた。慌てて隣のディスカウントショップで小さな電気ストーブを買って、家族4人が暖をとった。そのとき家の経済事情はマンションを買ったこともあり、大変な状態だったそうだ。

4月上旬、桜も咲き入学式になった。僕は、パンパンになった顔を隠すようにうつむき加減で歩いたが、この格好は、かなりの間続いた。担任はK先生、僕の恩師だ。いまはもう年賀状のやり取りも終わったけれど、結婚式にも来てくれた大切な存在だ。小学校のH先生から細かく僕のことを伝えてあったようで、「あまり心配するな」と言ってくれたりした。

それでも、偏見やイジメはあった。しかも生徒からではなく、あろうことか先生からである。体育の教師で、僕がSLEのために体育の実技を参加不可にしていたことが災いしたのか、汚い言葉で罵倒するのである。ある日、校門で立ち番をしていたその体育教師と目が合った。

するとその教師は、「気持ち悪りぃ顔しやがって」と吐き捨てたのだ。僕は怒りと悲しさしかなかった。よりによって先生からこんなこと言われるなんて思ってもなかった。それを機に、僕は不登校となった。あの体育教師に会うのが嫌だった。部屋に閉じこもり、ご飯以外は殆ど室外に出なかった。

ただ、体育がない日だけ学校に行っていたような気がする。クラスの同級生は優しく接してくれるのに、あの先生だけは酷く、到底許せなかった。担任のK先生もその体育教師に僕の事情を話してくれたようだが、あまり関心もなく、取りつく島もなかった様子で、しまいにはK先生も悩み考え過ぎて円形脱毛になってしまったほどだ。

だから、中学1年のときの記憶は殆どない。勉強は辛うじて付いて行ける状態だった。

余談だが、小学校の4、5、6年入院した経緯もあり、算数の一部分がいまでもできない。分数の計算などはまったくわからないし、小数点の計算も弱い。後々これが響いてくるわけだが……。