検査を終えると医師から「ナルコレプシー特有の検査結果が見られました」とお話があり、ナルコレプシーと診断を受けました。医師の説明で、この病気は解明されていないことが多く治るかどうかも不明で、通常の生活を送るには投薬による対症療法を続けるしかないと言われました。

この日、リタリンという薬が処方されました。しかし、服薬するとひどい頭痛や、便秘、口渇(こうかつ)等の副作用が現れたため、継続して飲むことはできませんでした。生活を送る上で支障が出るのは授業中だけだったこともあり、投薬は中止しました。そのため、中学生の頃は授業のほとんどを寝てしまっていたので記憶が無い場面が多々あります。

当時の正直な気持ちとしては、ナルコレプシーと聞いてホッとした自分がいました。これまでの居眠りは病気の影響によるもので、怠けていたわけではないと証明され、とても救われた気がしました。診断がつくことで救われたと言う患者さんはこれまでも多く出会ってきました。

それだけ、居眠りという症状に対する周囲からの誤解や偏見、冷たい視線は辛いものなのです。その後、友人関係には恵まれて、学校で友達にナルコレプシーのことを伝えても、接し方が変わることはありませんでした。気を遣って起こしてくれたり、そのまま寝かせてくれたり本当に親切に対応してくれていたと感謝しています。

そんな友達が授業中に寝ている私のことを起こしてくれた時の出来事です。いつも通り起こしてくれた友達でしたが、誰かが襲い掛かってくる夢と重なり、友達を振り払ってしまいました。夢と現実の境が分からないために取ってしまった行動でしたが、友達にはとても嫌な思いをさせてしまい、今でも申し訳ないことをしたと思っています。