ナルコレプシーは病気であって、私の一部でもある【発症〜学生時代の向き合い方】

中学受験に無事合格し、中高一貫の希望校へ進学することになりました。学校へは家から一時間ほどかけ電車で通っていました。中学生になると小学生の頃と比べ授業の内容も難しくなり勉強の量が増えました。そんな状況でも寝てしまうことが続き、自分でも不安に思うようになってきました。

そんな私の話を聞いた両親が詳しく居眠りについて調べてくれ、初めてナルコレプシーという疾患を知ることになります。私も両親も、今まで健康な子供として生活してきたと思っていましたが、病気に(かか)っているかもしれないという現実が目の前に突如現れたのです。

すぐに都内の睡眠専門外来を受診し検査を行いました。この時の心境はとても複雑でした。「死ぬわけでもない病気だから診断がついてもつかなくてもどっちでもいい」と口にしていたのを覚えています。

その一方で、「診断がつくことで、周囲の理解を得ることができるかもしれない、怠け者という誤解を解くことができるかもしれない」といった思いや「もし診断がつかなかったら、毎日襲い掛かる我慢できない自分の眠気の正体は何なのか? やっぱり自分が怠けているだけなのか? みんな耐えているものだから自分も耐えなくてはいけないのか?」という、口にした言葉とは別の感情も存在していました。

診断がつくことで安心できる自分とこの眠気の正体が病気ではなかった時どう説明すればいいのか不安な自分。他にも、「病気だと知ったら友達はどう接してくるのか?」といった様々な不安で頭の中がいっぱいでした。