第1章  令和の今、行政改革最高のチャンス

今、東京都には大学生、大学院生を合わせて74万人の学生が居る。2位の大阪府が26万人だから約3倍の断トツである。職員や浪人などを加える100万人を超すであろう。鳥取、島根、高知、徳島など選挙で合区となった県は無論、福井、山梨、佐賀、和歌山、香川、秋田の10県の人口より多い。昔なら江戸で勉学しても自藩(県)に戻って仕事をするのが当たり前だったが、今は殆どが東京に残り一極集中に拍車をかけている。

又、少子化のプロモーターにもなっている。政府もやっと首都圏の大学定員の削減を叫び始めたが遅きに失している。インターネットのe-ラーニングの時代には東京で学ぶ必要は全くなく、農業や水産などは不適切な場所と考える。

さて、何故東京では出産が少ないのか? まず第1に地価、家賃が若者が住むには高過ぎるのである。だから都心部には高給のエリートか土地の賃料や株等で所得のある人、大使館や商社、大企業の外国人駐在員、そして徳川時代からの先住民である江戸っ子しか住めない。

片道90分の平均通勤時間、働き方改革で少しはましになったとは言えサービス残業的な企業戦士の風土は残っている。非正規雇用労働者もどんどん増え、神武やいざなぎを超えたという好景気も大企業や一部の人達にしか恩恵がない。それが消費の低迷に繋がり、好景気が社会全体で感じられない要因である。こんな状況下で結婚や出産、育児のハードルが高くなっているというのが現状である。

それに引き替え沖縄は希望の星である。離婚も多いが結婚や3子以上を産む家庭が多い。温暖な気候や良い住環境、ご近所力が高く出産や子育てがしやすい。台湾やフィリピンからの嫁入りも多く、姉の姿を見て妹も嫁いで来るようである。海洋国家日本の原点そのもので、黒潮の流れる地域の見本ではとも考えている。やはり魚介など海の恵みと職住近接こそが社会の活力と再認識しているところである。富山や福井などの住みやすさ上位県も共働きが多くても職住接近の所が多い。やはり一次産業が元気でその六次化による産業も多い所である。

先日、京都大学の今中雄一医療経済学教授が立ち上げているPEGASAS(産官学コンソーシアムPEGASAS:Open-Innovation Platformof All-area Enterprises, Governmentsand Academiato Designand Realize Super-Aging Societies)という産官学による街おこしのセミナーで幸福についてのディスカッションがあった。

日本国内の幸福度を感じる上位には富山と福井、石川の北陸3県が入っているとのことである。一次産業がそれなりに元気で中都市が県庁所在地、海あり県、水が豊富で共働きが多いなどである。酒の旨さと幸福度の関連を尋ねたが、皆それぞれに酒は薬理学的にはプラス、病理学的にはマイナスという程度の結論であった。ゴルフのハーフ昼休みの飲酒が午後のプレーに吉と出るか凶と出るかの経験のようなものであろう。いつも引き合いに出されるブータンは自然、宗教、農業がキーワードであろう。GNP(国民総生産)からGNH(国民総幸福)へ。

京都大学入学時に三木清の幸福論を読んでから60年近く経ち、久し振りに幸福関係の論文を読んだ。医師になって50年余、3,500枚近くの死亡診断書に関係した(研修医の分も含め)経験からすると生きているだけで丸儲け、幸しあわせ福というのが本音である。因みに幸福の科学の主催者は徳島の高校の後輩である。

このセミナーの最後に基調講演をされた女性の准教授に「何が一番大切だと思いますか」と訊くと「多くの人とのコミュニケーション、老若男女、ご近所力と地域創生」と地方生き残りを目指す私の考えが間違っていないと勇気を与えていただいた。この方には日本には米国にある幸福学会がないので是非作ってほしいとお願いした。京大には故梅棹忠夫先生が創った“路上観察学会”など面白がり屋が多いので、是非言いだしっぺをとお願いして別れた。

やはり地域作りにはワカモノ、ヨソモノ、バカモノが必要であり少し変わった人と思われる人が必要不可欠と思っている。

※本記事は、2020年2月刊行の書籍『令和の改新 日本列島再輝論』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。