馬耳東風 スルーも才能

人の意見を聞き流せる能力は大切だ。人はみんな無責任にいろんなことを言ってくるもの。親、先生、友達、同僚……外野はとかくうるさい。

特にスルーする能力が必要とされるのは、嫁姑問題。最近は「嫁いばり」とか言われていて、昔ほど取りざたされなくなっている感もあるが、世の中から、ここの小競り合いが無くなることはない。だって全てが気に入らなくて、全てに口を出したくなるのだから。

息子のお嫁さんの一挙手一投足。立ち居振る舞いから、やることなすこと発言の一つ一つに。そして姑の着る服から自分の夫に対する態度、呼び方、会話の中身、家事のやり方一つ一つに、お互いに何かしら物申したくなる。古今東西、女は女に厳しいもの。そして嫁姑と夫(息子)は三角関係。上手くいくはずないと最初から諦めていることが肝心だ。

お互いがそう思って、距離を置いて付き合っておけば良いのだが、なんだか気のせいで馬が合うように錯覚したり、どちらかが頑張って近い関係を結んでしまおうものなら、後で必ず無理が祟りどちらかがギブアップしてしまう。最初良かったものだからギャップは大きい。苦手、嫌い、大嫌い、顔を見るのも声を聞くのも苦痛、なんて不幸なことになってしまう。そんな事例、向こう三軒両隣日本全国どこにでもある。