●不登校になってからその後のお話(受験~高校時代)

ここからは、ほぼ中学三年間不登校だった子どものその後について、お話ししたいと思います。

子どもが得意なことの宿題に毎日取り組み始め、二年ほどが経過していた中二の終わり頃でした。将来の進路、どうする? と考えたとき、高校にもし[行きたい]、となったときに行けるよう、必要最低限の数学と英語だけ、個別の塾に通わせ、勉強はさせていました。

ある日、私が子どもの[好き]なコト、[得意]なコトを学べる私立高校のパンフレットをたまたま見つけたんですね。直感で、あ、この高校良いかもと思い、すぐ子どもに見せると、「オープンスクールに行ってみる」と。毎日宿題として取り組んでいたことが思いっきり勉強できる学校でした。

オープンスクールでは、実技試験の模擬体験があり、子どもは目をキラキラと輝かせながら、夢中になって取り組んでいました。そのあとで、先生からの講評ももらえました。子どもは、その時間がとても楽しかったようです。一度のオープンスクール体験でその高校に入ることが目標になり、毎日試験で出る課題を子どもは自らやり続けました。

幸いにも、入試科目は英数国の3科目と実技試験のみ。中学校の内申書点数は一切入試に関係ないこの私立高校を受験することにしました(内申書の件は、地域により違うようです)。

高校のオープンスクールには全て参加して、先生にも顔と名前を覚えてもらい、「実技さえこの調子で頑張れば、他の教科は三割取ってもらえたら大丈夫です」と太鼓判を押してもらいました。

他の高校も一応子どもと見に行きましたが、「なんか違う」と言って、希望の高校を専願で受験。合格発表は大雪の日でしたが、寒い中番号を見つけた瞬間、二人で抱き合って喜びました。入学式で新しい制服に身を包んで入場する子どもの姿を見て、私は思わず涙ぐみました。子どもにとっては今まで当たり前でなかったことが、やっと当たり前になった、と非常に感慨深く、心の底から良かった、と喜びをかみしめていました。