私はトイレに行き、周りを見るとホッとした顔でいっぱいで、食事に行く人達だろうか、今の試験問題について話している。一時間の休みがある。

自席で妻が握ってくれた「おにぎり」を食べた。周りは、多くの受験者が参考書を必死に覗きこんでいる。私は、今、見ても不安を持つだけで、健康衛生上、よくないと思い、また、一時間後に訪れるのであろう不安と緊張を和らげる為、受験場から出て、軽い体操をした。

午後の試験が始まる為、自席に戻る。隣の女性はまだ来ていない。五分前なのにまだ来ない。午後の試験が、午前中同様に始まった。隣の女性は居ない。午後の試験を放棄したのだ。私は、時計が見やすくなり、落ち着いた気持ちで問題に取り組むことができたので助かった。

午後の問題は多く、ちょっとした厚みを持つ問題集で、長時間を要する取り組みとなる。休憩がない為、小用も手を挙げて担当者が付きっきりで不正がないかを確認する。私は、難問との取り組みをするが、難しい問題は回答が見つからず時間ばかり経過することに焦った。

時間内に全ての問題を回答することができるだろうかと不安を感じる頃に、小用を感じた。手を挙げて対応し自席に戻ると時間があまり残されていない。最後は、直感的に回答し、時間との競争で何とか時間内に全問回答できた。試験が終わると、全ての事柄から解放されたようで、肩の力が抜けていくのが分かった。

試験場を出ると、多くの受験予備校の社員が参考資料を配っている。試験結果は、自分なりに振り返れば「五分五分」かな。自信もあるし、不安もある。時間に不足を感じ最後は、「エイヤー」の直感勝負。八月の暑い頃の試験も、十一月に結果発表で十一月四日の官報で伝えられる。

試験以降は、好き勝手に過ごし、試験結果を待った。

※本記事は、2021年3月刊行の書籍『明日に向かって』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。