おかんはいかにしてサッカーコーチになったのか?

町のジュニアサッカー事情とエスフォルソFC

ここでおかんが所属している「エスフォルソFC」を取り巻く、東京都23区のジュニアサッカー事情を説明します。

ジュニアチームは、上はJリーグのジュニアチームにはじまり、次にプロコーチ率いる強豪のクラブチーム、育成に主眼をおいたクラブチームや保護者が運営する草の根のチームがあります。

エスフォルソFCは、草の根のサッカーチームです。東京都北区サッカー協会に登録していますが、その一段上の、東京都を16に分けたブロックという中規模リーグにまでは登録していません。

さて、草の根のジュニアサッカーチームというのは、小学校の校庭をホームグラウンドにして、その保護者がスタートさせている形が多いです。東京都23区は、ほとんどの公園や広場で球技が禁止されているため、休日に親子で気軽にサッカーができるところがありません。

サッカー経験がある親が、子どもとサッカーをできる環境を求めて活動しているうちに、小学校にてジュニアサッカーチームを結成する、という経緯が多いようです。

しかし、チームを結成した後に、いろいろと課題が出てきます。小学校のグラウンドは狭いため、サッカーに本来必要な面積がとれないチームも多いのです。選手の数も年によってむらがあり、8人制サッカーに人数が揃わない年も出てきます。

多くのチームでそのような状況が顕在化しているため、東京都ではサッカーとフットサルを並行する流れが出てきています。

フットサルというのは、サッカーよりも狭いピッチで行われる5人制サッカーのことで、体育館でも実施できます。北区では、年間を通して開催される8人制サッカーの試合の合間に、春と秋にフットサル大会が開催されます。

人数不足で8人制サッカーにエントリーできなかったチームも含めて、フットサル大会にはたくさんの団体が参加しています。本
書でも、サッカーと並んでフットサルのシーンが出てきますが、選手やコーチは特に違和感をもたず、フットサルは小規模なサッカーぐらいの気持ちでプレーしています。

エスフォルソFCは、1995年に保護者が結成したサッカーチームで、北区の滝野川小学校と飛鳥中学校をホームグラウンドにしています。

当初は、一学年に1~10名前後の選手が所属する、全学年合わせて50名以下の小規模なチームでした。

その後、2012年から年少(3歳)まで受け入れる幼児チームを結成しました。その結果、幼児の入会者が増えてそのまま小学生になっても続けるため、現在では一学年10名以上、総勢70~80名の中規模なチームに成長しています。

コーチは保護者のスポーツ経験者が、先輩コーチに誘われて定着する形が多く、普段の練習と試合、審判経験を通してサッカーコーチとして成長していきます。しかし、サッカーに要する時間と労力が大きいため、我が子の卒業と同時にコーチを引退するパターンがほとんどです。

エスフォルソFCは、チーム理念として「子どもの健全な育成」に主眼を置いています。

勝利至上主義ではないため、強豪チームではありません。ここ数年はチームの人数が増えて盛り上がってきていて、北区の二部リーグで、少しずつ成績を上げてきています。

※本記事は、2020年6月刊行の書籍『グリーンカード “おかんコーチ”のサッカーと審判日記』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。