非行期:中学生

小学校からほぼ持ち上がりのメンバーで区内の公立中学校に入学したが、個性が強い人が多く、私はそんなに目立つ方ではなかった。中学に入り、成績は良い時は70人中10番で、勉強に困った記憶はないが、そんなに出来が良かった記憶もない。

私はまきの勧めでバスケ部に入ったが、先にも言ったように、私は運動会の徒競走で差が開きすぎて拍手されるほど運動音痴であり、バスケなんてやったこともなかった。当時はスラムダンク全盛期であり、何となく楽しいかな、と軽い気持ちで入部した。しかしそれが大きな間違いであったことはすぐに痛感させられた。

私が入部したバスケ部は練習前のアップで、先輩も一緒に、しかも男女合同で四角パスをする。当然先輩のスピードについていけず、必死に追いついたと思ってもキャッチする力がない。入部したての1年生の女子だから、きっと手加減して優しく投げてくれていたのであろうが、その手加減パスでもキャッチできないのだ。そんなレベルだから試合どころか練習にもついていけないものだから、入部後1ヶ月で辞めてしまった。

1年生の担任はチンパンジーに似た気の弱そうな50代くらいの女性の先生だった。気の強いクラスの女子と、いつも言い合いになっていて、それを見て笑うのが楽しかった。先生が黒板に字を書いている時に消しゴムのカスを投げるのが流行っていて、時々気づいて激怒する姿が爆笑だった。

先生に何かされたわけではなかったが、話し方とか、上から目線なところが気に障った。学級崩壊はエスカレートしていく。授業中、先生と取っ組み合いになったり、教室を抜け出して隣のクラスまで匍匐(ほふく)前進したり。掃除の時間は廊下を水浸しにし、端からダッシュで滑り込みをした。もちろんバランスを崩せばびしょ濡れになる。そんな刺激的で楽しい学校生活だった。