生活保護受給者は、国民健康保険の被保険者から除外されているため、ほとんどの生活保護受給者の医療費はその全額を医療扶助で負担(原則として、現物給付)している。

このため、失業等により、申請書や履歴書に書くことのできる居住地を失い、生活保護や求職活動への支障が発生すると、自立が困難になる。

したがって、医療扶助と住宅扶助は存続させて生活扶助のみをBIに置き換えるなら、児童手当と生活保護から2.5兆円の財源捻出となる。

雇用保険には、基本手当(失業給付)のほか、教育訓練給付、高年齢雇用継続基本給付、育児休業給付、介護休業給付があり、このうち失業給付は公費負担分が不要になるが、金額がさほど大きくないのでここでは算入しない。

※本記事は、2021年5月刊行の書籍『ベーシックインカムから考える幸福のための安全保障』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。