オーストラリアの学校にもいじめや「荒れ」はある

それは学級崩壊のようだった。9年生の数学のクラス。先生の話をそっちのけで友達と話す生徒、離れた席の友達に物を投げつける生徒、椅子を後ろに引いて前の机に足を投げ出す生徒など、目に余る行動をする生徒が多く見られた。スマホをいじっている生徒もいたが、教師は気づいていないようだった。立ち歩く生徒こそいなかったが、授業はおよそ成立しているとは言い難かった。

20名ほどのクラスで3分の2が男子生徒。授業をするのは男性の代替教師。担当教師が休みを取ったため、その日の朝に依頼を受けたのだ。

オーストラリアには彼のような代替教師(Relief TeacherとかSupply Teacherと呼ばれる)が大勢いる。何らかの理由で正規の教師が授業を行えないとき、一日から数日単位で授業を代替して行う。オーストラリアでは教師のいない教室に生徒だけがいることは認められていない。休み時間も生徒が教室に入れないのはそのためだ。自習であっても教師がいなければならない。

代替教師は前もって連絡を受けることもあるが、当日の朝突然依頼されることもある。彼の場合も後者の例だ。だから授業の準備はほとんどできていない。そのせいもあるのかもしれないが、授業はスムーズに進まない。

生徒にもやる気が見られない。まじめに授業を受けようとする生徒も中にはいるが、やる気のない生徒が圧倒的に多い。教師は注意をするが、生徒は言うことを聞かず、教師をなめているようにも見える。ほとんどの時間が注意に費やされた。オーストラリアにも学級崩壊があることを実感した。

いじめに遭遇したこともある。スクールバスに乗り込もうとする女子生徒に、何人かの男子生徒がオレンジの皮を投げつけていた。卑猥な言葉も浴びせている。気づいた教師がすぐに注意をしたが、バスに乗ったあとも嫌がらせを受けている様子が窓越しに見えた。彼女は校内でもたびたび見かけたが、いつも一人でいた。教室では周りの生徒から敬遠されているように見えた。口汚い言葉をかけられていることもあり、明らかにいじめの対象となっているようだった。