解散した。一件落着。

二週間後、小さな事件が起きた。初めての夫婦喧嘩! 事件はお夕飯時に起こった。

「最近さぁ、夕飯の味付けが薄いよ」

「ええ、人間ドックの結果を見て、考えて味付けしているのよ」

「でも薄過ぎるよ。美味しく食べたいな」

「我慢して。嫌なら、自分で足したら」

「最初から足してよ」

「嫌です」

「何で」

「人間ドックの結果次第で決めたいの」

「いいから、いつもの味にしてよ」

「頑張って」

「嫌だ」

「分かった! 食べないでいいよ」

と下げた。

「外で食べてくる」

と出ていった。頭に来るなぁ~と一人で食べた。サッサと片づけて、お風呂も入って、十時頃ベッドに入った。玄関が開いた。しらんふり!

俊さんシャワーに入ってベッドに来た。私は背を向けて無視。俊さん寝返りするふりで、背中から抱きしめてきたが、腕を払った。バツが悪そう。朝、沈黙で食べて、行ってらっしゃいのキスもしないで出掛けた。九時頃帰って来た。

「お帰りなさい」

「あぁ~」

直ぐシャワーに行った。私はテレビを見て、俊さんを見ないふり。寝室でテレビを見ている。おかしいな。子供の反抗期のようだ。私は、十一時頃ベッドに入った。寝ている。そうっとベッドに入った。やっぱり寝返りするふりで背中から抱いてきたが、ゆっくりと腕を外した。

喧嘩二日目、あと何日もつかな。

「お夕飯は食べて来て下さい」

「うん……」

少しかわいそう。

「ごめんね。今日は仲直りしようね」

と。今日は近藤さんといつもの飲み会。帰りはいつも十時頃。九時頃ゆっくりお風呂に入って、キッチンでお水を飲んでいたら、俊さんが帰って来た。

「あら、早いね。お帰りなさい」

「ごめんなさい。人間ドックの結果が出て、二年ぶりにすべてAだったよ。ありがとう。これからもよろしくお願いいたします。本当に愛している。君が居ないと生きていけないよ。ごめんよ」

「私も頑固でした。ごめんなさい」

三日ぶりの熱いキス。

「愛している。僕のゆり」

バスローブを外して、首、胸そして……。

「急いでシャワー入ってくるから、ベッドで待っていてね!」

と。服をすべて脱ぎ捨てシャワーへ走って行った。パンツも……。

「可愛い俊さん」

それは、それは甘く、それは、それは激しい夜だった。幸せ。

喧嘩事件後は毎日、ゆったりと幸せに日々を送っている。