官製談合は隠すしかないのか

公開質問状を出したあと、質問状はなかったことにしよう、これで終わらせようと考えた。これで終わるのか? 私はこの件で、自ら罪を犯したとして警察に行っている。しかし、証拠はすべて私がもっている。議員の誰一人、官製談合とは気づいていない。提訴すると宣言したものの、質問状さえ表に出なければ、事実を闇に葬ることもできる。

だが、オカダ村長には私が証拠を握っていることを知らせておかねばならない。どうするか。一人の男が頭に浮かんだ。そうだ。山内常広総務課長兼参事であれば、共産党員ではないし、経過も知っている。彼なら十分に話す価値があると考えた。そして実行した。

日曜日、家にいるだろうと出かけたが、奥さんは「選挙の関係で出かけています」と言う。何時頃、お戻りでしょうかと聞けば、「電話で聞いてみます」と返す。

「あのう、お名前は?」

とっさに出た。

「A屋です」

これは母方叔父の屋号。私の名前を聞けば、逃げるかもしれない。「すぐ戻りますので、どうぞ」と案内された。