発病篇

・皮膚疾患

いろいろな体調の変化や不良を感じるなか、睾丸が無性に痒く、皮膚に爪痕が何ヵ所も残るくらい搔きむしり、毎日パンツが血だらけになっていたことがあった。横浜駅近くのある皮膚科に通っていたが、なかなか治らず1年以上通って痒みはなくなった。

やっと痒みから解放されたと思っていたら、ドクターに、「あれま。ハタナカさん、頭に円形脱毛がありますよ」と言われた。子ども心に、「ふーん」としか思わなかったが、「赤外線治療しましょう」と言われたので何度か通った。

円形脱毛が治ったくらいの頃、両足の裏側に魚の目ができた。合わせて13個。液体窒素で焼く治療をした。焼いている最中は痛くないが、治療後、痛みが激しくなり血が滲む。

母親は、そんな足の裏を見ながらも、「剣道には行きなさい!」とまだ病気のことがわかっていなかったのではっぱをかける。もちろん前にも言ったように、剣道には草履で行くので草履が血で汚れた。剣道場の床も血で汚れてしまった。あれはとても痛かった。

難治性の皮膚疾患や円形脱毛症もSLEの特徴で、普通の湿疹や脱毛と比べると治りづらく、完治と発症を繰り返すとても厄介な症状だ。SLEの治療を行うと発症しなくなる。

・心膜炎

小学校4年生の頃、肥満予防という名目で水泳教室に通わされた。その頃には、なぜか欠伸をすると心臓がドキドキして苦しくなる症状が現れていた。水泳中にも、呼吸の仕方が悪いと胸が苦しくなる。これはSLEの症状の心膜炎だった。

「ドキドキの動悸とともに心臓がキュウッと苦しくなる」と、母親に言っても取りつく島もなかった。水泳教室は本当に嫌だったなあ。まあ、ほどなく辞めたんだけどね。この心膜炎はSLE診断確定後の現在、心エコー検査などをすると確認できる。

僕はこの心膜炎にかなり悩まされた。欠伸や走り切った後など、日常の生活で頻繁に現れる症状とても辛い思いをした。