バーチャル認知症外来

長谷川式認知症スケールという知能テストは10分ほどでできる簡単なものですが、本人の協力があれば、短期記憶力、日時や場所の見当識、計算能力、語彙(ごい)力などにつき調べることができます。

30点満点で、正常の人の平均値が25点、20点以下が認知症という目安になっています。以下に、実際の症状と知能テストの点数、そして対応したアドバイスの例を記します。数値や症状などは個人差とその幅があるので、あくまでも目安です。

Ⅰ.年相応または認知症前段階 25点程度

物忘れはあるがそれを自覚しており、質問にも自分で的確に答える。物忘れの症状は「人の名前がパッと出てこない」「物を置いた場所を忘れて探さなければ出てこない」「しようと思っていた用事を忘れてしまう」などで、特に生活に支障はない。

アドバイス:メタボ疾患があれば治療してコントロールを。社会活動や人付き合い、趣味や外出などの活動的な生活がおすすめ。現在のコロナ禍がある状態では、家事や庭仕事、体操なども良いと思われる。物忘れが心配であれば、予定や覚えておくべきことをメモするなどの工夫をしてもらう。

Ⅱ.軽度認知症:15〜20点程度

年齢や日付けなど答えられない質問には、家族の方を振り向いて教えてもらおうとする。本人は、認知症状で生活に支障があるという自覚はあまりない。

同じことを何度も言う、聞くなどのひどい物忘れがある。新しいことは覚えられず、昨日あったことの記憶がすっぽり抜けたりする。日付けや時間を覚えられなかったり間違えたりする。金銭管理や服薬管理が自力では困難になっている。味付けが変だったり、お鍋を焦がしたりして、調理で失敗する。家電製品の使い方がわからなくなったり、今までできていたことができなくなったり、しなくなったりする。食事、入浴、排泄などはほぼ自分でできる。

アドバイス:金銭や服薬の管理は代行や手助けが必要。物忘れは覚えられないことからきているので、家族は「何度も聞いた、言った」と指摘せずに穏やかに対応するように。認知症は今後進行することが予想されるので、デイサービスに参加して他人からのケアや、自分と同様の人々の団体生活に慣れていくことがおすすめ。(本人の施設入居などの準備の意味と家族に休養を与える側面がある)