紆余曲折 寄り道を楽しもう

私はバイトで人生を学んできた。バイトは面白い。お金を頂いて学べるんだから最高だ。それまで知らなかった現場に身を置き、仕事と役割を教えられる。にわか仕立てだろうが、即戦力。出来る風、プロっぽい顔をするのも大事な務め。「コスプレ」じゃないけど制服を着て役に徹するなんて女優みたい。普段の自分じゃない自分になれる不思議な感覚。

仕事といえば大きな顔で休日も夜も家を空けられる。「現実逃避」も出来ちゃうバイト。主婦が働く理由はお金だけじゃなく自分の時間を持てるから。仲の良い友達もできるし世界が広がる。学生時代から今に至るまで、いろんなバイトをしてきた。経歴と呼べるようなものではないけれど、私を形作ってくれた貴重な経験。生きていく上で大きな力になっている。

吉祥寺の憧れのケーキ屋さんレモンドロップ、表参道フォクシー前にあったお洒落なベーカリー。所沢プロぺ通りのマクドナルド、本川越駅前の森永ラブ、吉祥寺近鉄デパートのモロゾフ、所沢西武デパートのコージーコーナー。気に入った店を見つけては突撃訪問、ドアを叩いて雇ってもらった。

97短大時代は、イベント会社に登録し、キャンギャルもどきの仕事もした。神宮外苑前の夏フェス、フジテレビ主催の「フリーバル」ではネスカフェの特設野外ブースで売り子をした。白いスコートに短いエプロン姿で、アイスコーヒーのシェークの実演披露。

仲良しのモコちゃんと一緒にアイスコーヒーを配り、遊び仲間の医大生達も来てくれて、そこは、さながら学園祭。横では『チューブ』の野外ステージも始まり祭りは絶好調。花火も上がって「あー夏休み」も聞こえてきて「このまま夏も青春も終わらないで」。そんな夏の一夜だった。