当時、女性は25歳前後で退職し結婚するのが主流。そんな中で長く会社にいて仕事をしていくには覚悟がいった。バブル真っ盛り、超売り手市場の中たまたまラッキーに入れた会社を、みんないとも簡単にやめて結婚していった。

「腰掛けOL」は会社と女性双方のニーズ。「入社面接はお嫁さん選び」と言われていた。自宅通いが条件の会社も多く、家を出るイコール結婚。

一人暮らしは考えになかった。遠距離通勤を重ねるうちに深酒と寝不足も祟って「顎関節症」になり口が開かなくなった。その他いろいろなところにも不調をきたすようになり病院に行くと医者に脅された。「気力体力落ちていると、他にもいろんな怖い病気になるよ」。

これを聞いた私は、速攻、結婚相手を探し仕事を辞めた。寿退社といえば周りに祝福されて、即、円満退社できた時代。その良し悪しは別として或る意味楽だった。

今では、結婚事情も様変わり。結婚はしてもしなくても本人の自由。親や上司からのプレッシャーは表面上無い。社内結婚=退社という図式も通用しないのだろう。

仕事観も変わったものだ。結婚の有無は関係なく、女性も生涯仕事を続けることが当たり前。それなら自分が長く続けられる仕事を探すことは大事なこと。転職はある意味避けられない「通過点」のようなもの。女の人生も多様化し自由度が増した分、生きる道を探すことは容易ではない。

仕事か結婚かで悩んだ昔と違い、仕事も結婚も子供の有無も悩まなくてはならない時代になった。モデルケースが無いからなんとも難しい。選択肢が多すぎるのは却って辛い。実は自由が一番不自由だ。

努力、辛抱、我慢、修行。これは自分がやろうと決めてやるなら良い。しかし、人から強制されてそれをし続けると、遅かれ早かれ心身壊れ、結局やめることになる。病気になる前に、よく考えることをお勧めする。

「私ホントにこれしたい? 頑張れる?」

無理なら頑張らないで「適当」にやる。それもできないのなら辞めること。逃げるが勝ちである。

臥薪嘗胆(がしんしょうたん 目的を果たすため辛苦すること

※本記事は、2020年6月刊行の書籍『ママ、遺書かきました』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。