不幸な結婚生活

私と元夫の赤羽光夫が結婚したのは、昭和40年で2人とも同じ年齢だった。最初は、私の母親の紹介で見合いをしてみたのだが、結婚するつもりはまったく無く、当時勤務していた病院の看護師の仕事を続けたいと考えていたので、翌日になってから断りの返事をした。

しかし、元夫は私に好意をもったので、今度は何回も実家の母親に連絡をとってきたのだ。そのため、母親も再度、私に見合いをするように言ってきたので、しかたなく再会する事にした。そして、再会をした時に元夫は、私が勤務している看護師の仕事を続けてもらってもいいから結婚してほしいと言って、周囲にいた人達の前で頭を下げたのである。

そんな光景を見た人達は、ここまで真剣に言っているならと思い私に対して結婚する事を勧めてきたのだ。私自身は少し不安な気持ちもあったのだが、周囲の人達が何回も勧めてきたこともあり、最終的に結婚する事に同意をしてしまった。

それから半年後に、結婚をして2人で生活するためにアパート暮らしを始めたのだったが、一緒に住んでみると元夫は見合いの時に見せていた態度とは、まるで違う態度と行動をとるようになっていった。

2人分の食事を用意しても自分が嫌いな料理があれば、食べないで怒りながら文句を言い出し、身体を叩いたりしてきた。生活費を毎月3万円だけ私に手渡して、残りの給料は自分の好きなように使い出した。私の給料では生活するのが厳しいので、増額してほしいと希望を伝えると、気に入らないのか、ますます家庭内暴力をするようになっていった。

そんな生活に、私自身が少しずつ耐えられなくなってきた時期に、長女の直美を妊娠したのだ。私は、なるべく身体に負担をかけないようにしたいので、家事等を少しでも手伝ってほしいと希望を伝えると、また気に入らないのか、急に子供はいらないと言い出し、私のヒザ周辺を蹴ってきたのだ。

さすがの私も頭にきたので、自分の実家に戻り母親と私の姉夫婦に事情を説明して、ここから生活をやり直すことにした。実家に戻ってから3日もしないうちに、元夫は復縁をしたいと私の実家を訪れるようになったが、母親達から私が会って話をすることに、拒否をしている旨を伝えて帰ってもらっていた。

すると、今度は私が勤務している病院から帰る時間に待ち伏せして、会いにくるようになった。自分の勤務先の周辺で、夫婦ゲンカをするわけにもいかないので、仕方なく私の実家で急遽、夫婦間の話し合いをする事にした。