⑧これを推進する組織などできるわけがないし人材もない

⑨健全な不動産マーケットを侵すことになる⑩必ず不正や詐欺を働く者が出てくる

⑪国にさせることにより、中央集権化、国家統制化が進み戦前の日本に戻る

これは筆者も最も心配しているところである。でもそういうことを十分認識した上で制度設計をすることしかないのではないかと思う。

⑫この考えや方式が真にベストなのか、代替案はないのか

これについては筆者も自信がない。しかし自然災害対応と空き家対策を同時に解決する妙案は他には思い当たらない。本当に良い別の策があれば、ぜひそれで進めてほしい。何もしないで災害が起きないことだけを期待しこのままにしておくことだけは避けてほしい。

筆者は75年の生涯で大きな災害を体験したことがない。筆者の両親の世代は戦争による空襲や関東大震災を経験している。その後の阪神淡路大地震や東日本大震災も近くにはいなかった。このまま死ねば、災害からは無縁だった実にラッキーな人生を送ったということになる。

そんな筆者が、自然災害を語っても説得力がないことは重々承知しているが、その恐れだけは人語に落ちないと自認している。だからこういう提案をすることを許していただけると思っている。

※本記事は、2021年2月刊行の書籍『自然災害と大移住』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。