ポケトークやタブレットは有効なツールか?

AIを使った翻訳のシステムは洗練されてきたとはいえ、私はまだまだ発展途上の段階だと考えています。

例えば、滑舌の悪いお客様が来た場合、Googleの翻訳やSiriのシステムが反応しないといったケースが確認されています。

他にも方言や細かい話し手のニュアンスを意図するままに機械が対応できるかどうか、語弊がでないかどうかといった課題もあります。

また、ポケトークはWi-fiなどのオンライン下で稼働するシステムのため、地域や通信環境によっては通信速度にムラが出ることから翻訳までの時間にラグが発生することがあり、必ずしも効率的とは限りません。

ですので、安易に全てを頼るのはリスクがあると思います。私は車掌として乗務をしていた時期に、実務で必要となり中国語の学習を始めました。

実際の会話やWeChatなどで友人と話をしたときに未習の単語やフレーズが出てきたので、Google翻訳を使って言葉を返したところ、相手の機嫌を損ねてしまったことが度々ありました。

原因は翻訳システムに自分が甘えてしまったこと、Googleの翻訳精度によるちょっとした言葉の掛け違いが主で、誤解を解くのに学習したてのつたない中国語でまた説明しないといけないという二度手間になってしまったのです。

AIの進化は止まらないとはいえ、まだまだ直接的な会話によるコミュニケーションを取らないといけないことに変わりはありません。

特に緊急時やイレギュラーな対応が必要となる場合、機械に頼らない実践的な対応が必要になってきます。これは車掌時代に強く体感したことですが、実際、お客様は機械を介した会話よりも意外にも生のコミュニケーションを大事にしているのですよね。

英語ができるとこんなメリットがある

わざわざ言葉にする必要もないと思いますが、敢えて書きます。外国語を習得するメリットは非常に大きいです。人生を変えるきっかけになるといっても過言ではありません。

社会のグローバル化は急速に進んでいて、雇用についても流動化が進みつつあります。そんな目まぐるしく情勢が変化する社会の中で生き抜くためにも、もしものときに自分の身を助けることにもつながります。

近隣の国の例を挙げますと、中国や韓国は日本以上の学歴社会かつ競争社会で、進学する大学の名前によって進路が決まるといっても過言ではありません。

これらの国の英語学習の実態は、日本以上に過熱しており、ロンドンでの大学院時代に当時のクラスメイトから詳しく聞くことができました。