うわ~。見つめあっちゃってるよ、この二人。花里の牡蠣カバ丼は恋の特効薬みたいだな。美味しいもの食べると幸せな気持ちに一瞬にしてなれるってことだな。

「オジサマ、ご馳走様でした。私、名古屋に住んでいるんですけど、ひつまぶしよりこっちの方が好きかも」

嬉しいこと言ってくれるね。

「東京でも浜松は牡蠣カバ丼が美味しいってみんなに伝えますね。あ、もうSNSにあげましたけど。おじさん魚屋さん? それとも漁師さん?」

ありがとう、ありがとう。おじさんは花屋だけどそんなのどうでもいいんだよ。また一つ、出会いの数だけ笑顔が増える。美味しいものの数だけ笑顔が増える。

「はい。月子さん。牡蠣カバ丼。牡蠣もご飯も大盛です」

「うわ~! 美味しそう! タレの香りでビール一杯飲めちゃうぐらいね。ガハハハッ」

豪快に笑って月子さんも丼を持って箸でご飯をかきこみ始めた。今年もあと数日で終わる。どうぞ来年も美味しいものといい出会いがありますように。

それでは皆さまよいお年を。

※本記事は、2021年3月刊行の書籍『微笑み酒場・花里』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。