調和のとれた仕事の流れを作り上げること

調和のとれた仕事の流れは、効果的で効率の高い業務を行なうために大事な点です。

仕事の流れは、ムリがなく、わかりやすいものでなければなりません。ゆきすぎや異常は調整され排除されなければなりません。一人ひとりの仕事は、自分の属するチームの仕事の一部であると考えればわかりやすくなります。

同時にその仕事はより大きなチーム(課や部)の仕事の一部です。仕事の流れは川の流れに例えることができます。つまり部門や個人の仕事には、その成果をうけて仕事をする「下流」にあたる部門があります。

自分や自部門の仕事の成果は、この「下流」にあたる人や部門の仕事の成果に大きな影響を与えます。調和のとれた仕事の流れを作りあげるためには、下流の位置にある人や部門を「お客様」と考えて仕事をすることが大切です。

「お客様」の要望や意見を謙虚に受け止め、自らの仕事の改善に結びつけるよう常に努力してください。そこにお互いの信頼が生まれ、調和のとれた仕事の流れが出来上がっていきます。

調和のとれた仕事の流れを実現したときには、リズムと一体感が生ずるものです。

不断の研究と努力を忘れないこと

わたしたちは、現状に満足せず、常に向上を求める努力を怠ってはなりません。

現状を知り、どうあるべきかを自ら考え、あるべき姿を実現するには何をしなければならないかを見つけるように努めてください。

そして目標を決め、安易な妥協をせず、失敗を恐れず、その達成に向けて誠実に取り組むことです。

これがホンダのエネルギーとバイタリティの源泉です。研究と努力は常に価値があるものです。

しかし、しばしば、研究がはっきりとした前進をもたらさないことがあり、わたしたちは努力がムダではないかと思いがちです。

しかしひたむきに努力すれば、どんな場合でもその過程で得た知識や経験が未来への糧となります。

※本記事は、2021年4月刊行の書籍『企業の持続的成長を目指して』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。