仕事を愛し職場を明るくすること

ひとりの人間にとって労働とは大変尊いものであり、価値あるものです。

それはまた喜びと誇りをもたらすものです。その喜びと誇りは、チャレンジ精神を持ち自らの創造性と知性を最大限発揮することによって生まれます。毎日の作業について一番良く現実を知っているのはその現場で働いている一人ひとりの人です。

これらの人たちは職場環境をどのように改善したらよいかを考え、実行するのに最も適した人たちです。管理監督者の立場にある人は、NHサークルや改善提案などを奨励し、彼らの改善への努力を支援する必要があります。

こうした努力の積み重ねが、より良い職場環境と一人ひとりの達成感、そして結果的には競争力の向上につながります。

ホンダの仕事の進め方の基本はチームワークです。一人ひとりはチームメンバーでありチームの目標が何であるかを理解し、自分の役割を認識して仕事を行なわなければなりません。

すべてのチームメンバーにはチームの目標達成に寄与する機会が与えられ、自らの役割を果たす義務があります。チームで仕事をしていくと、誰の担当とは明確に決められていない領域(グレーエリア)で問題が発生することがあります。

そのときに全員が「自分の責任の範囲外である」と考えたとしたら、その状況は改善されずに残り、問題は発展してしまうかも知れません。

時にはその問題がより大きな問題に拡大してしまい、企業内部だけにとどまらずお客様やお取引先に迷惑をかけることになります。

グレーエリアで問題が発生した場合には、チームメンバー全員が率先してその解決のため協力することが大切です。ホンダで働く全員が毎日の仕事をする際にチームワークという考え方を心にとめておけば、仕事の喜びも高まります。

チームが効果的で調和のとれた働きができるようになるためには、チームメンバー間の十分なコミュニケーションが必要です。

話し合い、フィードバック、情報の共有化がそれぞれのチーム、課、部などの部門内や部門間で全社的になされることが奨励されなければなりません。組織内のあらゆるレベルでの2ウェイコミュニケーションが不可欠です。

管理監督者の立場にある人は、自分の部下の一人ひとりが働く喜びを感ずることができるよう環境を整える責任があります。そのために留意するべき点は例えばつぎのようなものです。

・安全で整理整頓された職場環境

・組織だった仕事のやり方と公平な業務分担

・一人ひとりが企業活動に参画できる機会の保障

・意思疎通の努力・オープンマインド

・一体感の醸成・目的の共有

・達成感の共有