風邪だにも一つ病まずといつはりて母へ手紙を書くが悲しき

風吹きて雨垂れの音とだへれば庭の叢に虫の鳴きをり

夏の朝遠き家族うからら思ひをり皿に盛りたるトマトたべつつ

※本記事は、2021年5月刊行の書籍『短歌集 蒼龍の如く』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。