【第1章】先んずれば相続税を制す

不動産の共有はもめごとのもと

親が突然亡くなってしまった場合、残された家族だけで、誰が、何を、どれだけ相続するか話し合わなくてはいけません。相続人が複数いる場合、取り分の多い少ないがもめごとのタネになるのは、想像に難くありません。相続資産が現金などの金融資産であれば、均等に分ければいいのですが、問題は不動産です。

不動産の場合、自宅などすぐに売却できない場合も多いので、とりあえず相続人で共有するケースが多いようですが、これこそがもめごとのもとです。収支の良い不動産物件を相続して、1/2ずつ相続した場合、売り上げから経費を引いた利益を1/2ずつ分ければ、一見もめごとは起きそうにありません。

しかし、いったんその物件を大規模修繕しようとなると急に話が面倒くさくなります。どの業者にするか、はたまた管理会社の動きが悪いので変えようなどなど、アパート運営ではさまざまな経営判断を下さなくてはいけない場面が訪れます。

相続人がサラリーマンで働いていれば、休みの時間を使って、業者と折衝したりしなくてはなりません。こういう細々とした手続きも、積もり積もれば結構な負担となります。

相続人同士が、これらの手続きを手分けして行うのならいいのですが、現実の世界ではどうしても誰か一人にこれらの負担が偏る傾向があります。そうすると手にしている利益は1/2ずつだけども、負担が必ずしも1/2ではなくなるなど、不公平感が生じて、もめごとの原因になってしまうのです。財産のすべてを1/2ずつ兄弟仲良く分けようと言っても、そう簡単に分けられるものではないのです。

例えば、所有不動産の建て替えや修繕などでお金が必要になったら、誰かの名義でお金を借りることになります。その場合、利益は1/2のまま、どちらか一方がリスクを背負うことになるので、これまたもめる原因になります。このように、不動産を共有名義で持ち続けるのは、後々の禍根を残す結果になることが多いので、避けるべきなのです。