カラスのなかでも、いろんなタイプや考え方があるのだとぎんちゃんは思いました。

「カラスさんの住める大きな自然保護区かな。難しいけど検討するよ。都会にいて、ここまで近くにいるのだから、互いに協力しないと」

「何をお願いしたいの?」

「地震学者は地震の直前予告はしないから、カラスさんに直前予告をお願いしたいよ。地震前に発生する磁場の変化を感じられるだろう? お願いするよ」

ぎんちゃんの言うとおり、カラスは磁場の変化を感じることができます(注釈)。

でも、それを人間のために利用するなんて、いまひとつ腑に落ちません。

「知ってどうするの。どうせ被害が出るのに?」

「カラスさんの感度に近付きたいのさ。生き物としての嫉妬だよ!」

人間って何を考えているんだか。そう思ったカラスはぎんちゃんに言いました。

「相容れない微妙な距離感だね」

※本記事は、2021年7月刊行の書籍『ぎんちゃんの生きとし生けるものとの対話』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。