初回の洗濯ばさみのリハビリの悔しさが、夕食後も脳裏から離れなかった。

『何か策はないか?』

思考を巡らせた私は、足のリハビリからもヒントを受け、自分なりの右手親指、人さし指の筋力トレーニングを編み出した。

「オッケー」という時にするポーズを取り、左手で右手の親指と人さし指を全力で離そうとし、右手の指は全力で抵抗する、というものだ。

夜、ベッドの上でひたすら自作のリハビリを行った。

(※皆様はくれぐれも、万が一リハビリを受けるようなことが起こった場合、病院の先生や療法士の方々とご相談してください)

私の場合、自作のリハビリが功を奏したのか、洗濯ばさみのつけ外しを早くクリアすることができた。達成感と嬉しさに包まれた瞬間、療法士が、

「意外と早くクリアしましたね。次の洗濯ばさみ行きましょうか」

「え? ははは、次の洗濯ばさみ、あるのですね」

別の色の洗濯ばさみが控えていた。最初の洗濯ばさみよりバネが強い!

バージョンアップするリハビリ道具が、本当にゲームの敵のようだった。

『そっちがレベルアップするなら、こっちも倒す策を考えるよ』

心の中でつぶやき、この瞬間、ふと思った。

倒れて間もない時、全く動かなかった右半身が動きを取り戻そうとし、ゆっくりながらも動こうとしていることを。