太一さんが長年続けている山歩きについて話しました。

太一さんは60代後半の退職者、妻と二人暮らしです。今はボランティア活動、孫や母親の世話をしています。中学生の時に山歩きを始め、働き盛りの若い頃は、夜行列車で現地入りし、山に登り、夜行列車で帰宅し、翌日は仕事に戻るという詰まったスケジュールが普通でした。重い荷物を背負って高い山に挑戦し、力いっぱい急な坂を登ることに集中することが大好きでした。

今は、体力、安全面を考慮し、ゆっくりしたスケジュールを組み、同行する妻と一緒に山の花や鳥、景色を味わい、登山の前後には温泉も楽しむように変化しています。

[写真3]山歩き

咲子さんが母親のピラティスについて話しました。

咲子さんの母親は長年保育の仕事を続けて、腰痛に悩んできました。週一回ピラティスのクラスに友達と参加するようになり、腰痛が軽くなって気持ちが楽になったと喜んでいます。自宅でも実践しています。リフレッシュにもなるし、自分の姿勢に注意する習慣が身についたそうです。

身体の調子がよいのがうれしいと、週一回のクラス参加を楽しみにしています。母親にとって、動ける身体であり続けることが大事であり、先の楽しみになっています。

[写真4]ピラティス

龍太さんは恒例となった子どもたちとの洗車について話しました。

龍太さんは40代の教員で妻と3人の子どもがいます。朝から夜まで仕事で忙しく、週末も子どもたちと一緒に何かする機会はほとんどありません。5年前の夏に子どもの一人が龍太さんの洗車に興味を持ち手伝い始めましたが、ホースの水を怖がり、すぐに屋内に逃げてしまったことがありました。

その後、徐々に子どもたちは父親を手伝うようになり、スポンジを使って車を洗い、水をかけている子どもたちを見ると、龍太さんは頼もしさを感じるようになりました。この夏は、3人が父親に水をかけようと楽しそうに団結している姿(写真)を目にし、水を怖がらなくなった子どもたちの成長を喜んでいます。

[写真5]洗車

良美さんは中年女性です。お世話している高齢者の家事援助について話しました。

良美さんが現在お世話している自宅生活のお年寄りの家事援助で、特に、創意工夫しているのが食事の準備です。

おいしいものを食べて、元気に過ごしたいという希望を叶えるために、持病、消化吸収、嚥下(えんげ)を考慮し、好き嫌いをクリアして、季節を味わえ、栄養バランス良好な皿を数多くお出しするために、手間を惜しまず工夫を凝らし調理しています。喜んで食べてもらうことが良美さんには喜びで、お世話を価値のあることにしています。

[写真6]家事援助
※本記事は、2021年5月刊行の書籍『「作業的写真」プロジェクトとは 作業を基盤に、我々の健康と幸福を考える』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。