ポケトークやタブレットは有効なツールか?

IT技術の進化は、日進月歩という四字熟語では表現できないほど技術革新が目まぐるしく、これは外国語の翻訳技術も例外ではありません。

AIやクラウドなどの技術が進歩し、機械翻訳の精度が向上したことから、ポケトークやタブレットなどを用いた多言語対応サービスが鉄道各社で幅広く導入されるようになってきました。

前の項目で取り上げた多言語での自動放送ですが、タブレットを接続して実施している会社もあります。JR西日本の自動放送アプリはその一例です。

GPSを使って最適な場所で自動放送が流れるような仕組みになっていて非常に便利です。このタイプの自動放送は新快速や阪和線の関空快速と紀州路快速、嵯峨野線、奈良線といった空港アクセスや国際観光地である京都、奈良近辺の区間で活用されています。

近鉄でもタブレット接続型の自動放送システムが採用されており、特急は4か国語、その他の列車でも2か国語の案内を聞くことができます(現在は、新型コロナウイルスの影響による観光客の減少により、中国語・韓国語の放送を一時的に取りやめているケースもあります)。

この他には、南海や阪急、阪神、京阪といった関西の大手私鉄で利用されており、他の会社でも導入が広まってきています。一方で、ポケトークは2017年にソースネクスト社から発売された音声翻訳機で、発売時には「ドラえもんのほんやくコンニャクが現実になったのか?」として注目を浴びました。

82の言語に対応していて(2021年2月時点)、中には外国語学科のある大学に行かないと学べないような言語についても学習や活用ができる優れものです。

ポケトークもタブレットと同様にJR各社や全国の大手・地方を問わず私鉄で採用が進んでおり、こちらは外国人客とのやり取りが必要な場面で駅員さんや乗務員さんが携帯して活用するなど幅広く利用されています。

また、ポケトーク以外の音声翻訳機として、イージートーク(38の言語に対応)やKAZUNA eTalk 5(最大73の言語に対応)なども発売されており、これらの翻訳機も多様な場面で使われるようになってきています。

このように、最新機器を使った多言語化対応は、各鉄道会社が強力に推進している段階であり、徐々にではありますが外国人のお客様にとっては鉄道がより使いやすくなっているのではないかと思われます。

しかもこれらの機器は、導入当初よりもAIが進化し、複雑なフレーズや長文の翻訳にも対応できるようにアップデートされています。そのため、英語に関しては一定の実用レベルまでカバーできるようになりました。

ですが、ポケトークなどの翻訳機やタブレットはあくまでも補助ツールの一つに過ぎません。

※本記事は、2021年4月刊行の書籍『電車で学ぶ英会話』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。