金曜日、楽しい孫のお泊まり会。今日はどう来るかな。構えて待って居た。

「ばぁばー、俊じぃー。今晩は~」

「おおー来たか。待って居たよ」

「俊じぃー、今日さー、将棋持って来た。やろう」

「そう来たか! 小学校以来、触ったことないぞう」

寝るまで、勝負した。二勝五敗、浩也は強敵だ。もう一人の孫、祐馬は僕のあぐらでウトウト。かわいい。ゆりは女の子の孫、未来ちゃん、沙羅ちゃんとお人形のお洋服を作っている。理想としていた光景だ。ゆりの顔は、ばぁばーの顔。嬉しそう。

いよいよ、待ちに待った、ワールドカップ野球だ。いつもよりスピードを上げて仕事をしていた。専務が来て、「今日の夕方の来社予定の二件、来週、月曜日に変更しました。良かったですね」。

「おおー、君が気を利かせたんだな。ありがとう」

「月曜日はハードスケジュールですからね。覚悟を」

「わかった。頑張るぞー」

「専務、結婚って素晴らしいよ」

「社長見ていたら、感じます。僕も結婚しようかな」

「大切な人は、すぐ近くにいるようだよ。妻の受け売りだけどな。周辺をゆっくり見て一緒に居ても疲れない人がいいぞ。それと外見は飽きるから、楽なひとがいいそうだ」

「社長からそんな話を聞くなんて、信じられませんよ」

「どうして?」

「社長、忘れていますね。常に美人、グラマーな女性が居たじゃないですか」

「そうだったかぁ。今は妻に勝る女性は世の中に居ないな」

「社長、かわったなぁ。僕も早く探そうと」

「頑張れ」

夕方、家に着いたら、夕食をとり、いつものようにゆりは片づけを終わりワインとおつまみをセット。

「着替えて来るね」

部屋へ。ワクワク、出てきた!……。侍ジャパンのユニホーム。キャップをかぶり、メガホンを持っている。ソックスも履いている。やっぱり、なんか変に、似合っている。何と野球は、よく知っているようだ。

「そこでワンヒット」「ボールはサードでしょう!」「オー、ダブルプレイ、ナイス!」「わぁー。ベースに戻るのが遅い!」「ピッチャー、フルカウントだよ。コースを丁寧に!」「日本、頑張れー」と大きな声で応援している。

僕は、ゆりを観戦している。試合が終わってゆりは疲れた様子。「楽しかったね」っておかしい。