ロータリーへの勧誘と入会

人生の分かれ目は突然にやってきた。いまから四半世紀くらい前のある年(一九九八年)、その五月の連休明けにかねてより親しくしていたMK社長(建材商社)が、僕の営む会計事務所にやってきた。私を見ると開口一番、

「田中君はいくつになった?」

「四一歳です」

と答えると、

「そろそろロータリークラブに入る齢だね」

「私も入っている高崎ロータリークラブで新会員を探している。簡単な面接があるけど、君ならば大丈夫だろう。私が推薦人になってあげよう」

ロータリークラブ? 何だ、それは?

さらに、

「一業種から一人という決まりがあるけど、君は税理士のほかに大学教授という肩書きがあるから、そっちの職業で入ればいい」

とわけの分からないことを言っている。一業種から一人だけ? そのクラブには同業者は何人も入れないのか?というと最近流行りの異業種交流会の一種ということかな?

「力のある友だちがたくさん出来るよ」とも言っている。

東京から地元の群馬県高崎市に戻ってきて一〇年ほど経つけど、地元にあまり友人はいない。

日々の「雨ニモマケタ風ニモマケタ雪ニモ夏ノ暑サニモマケタ」不良生活から脱けられるかもしれないかな?

「絶対、入って損はないよ」

「言ってくれるなあ」と思った。でも、もしかしたらこれは楽しいことのハジマリになるかもな? その後、彼はいろいろなことをレクチャーしてくれた。