遺産分割協議による場合の添付書類

(1)遺産分割協議書と印鑑証明書

相続人全員の協議により、ある相続人が不動産を引き継ぐ場合など法定相続分と異なる割合で相続する場合には、遺産分割協議書を作成する必要があります。

遺産分割協議書には誰がどの不動産を相続するのか明確に特定できるように記載することが重要です。

例えば、「土地三筆」のような概括的な書き方では物件が特定できませんので、登記できない可能性があります。登記事項証明書記載のとおり、所在・地番等を書くよう注意してください。

遺産分割協議書ができあがったあと、相続人全員で署名し、実印を捺印します。法務局に提出する際は、相続人全員の印鑑証明書も併せて添付する必要があります。なお、相続登記に添付する印鑑証明書については、有効期限がありません。

一方で、印鑑証明書を金融機関に提出する場合は、3カ月や6カ月といった有効期限が設けられている場合がありますので、注意が必要です。

(2)戸籍謄本等

被相続人関係書類(亡くなった人)

1. 籍除籍原戸籍等(被相続人の出生から死亡までの戸籍関係書類一式)

窓口で相続に使用するため、亡くなった人の戸籍が全部欲しい旨を伝えてください。

取得後、「これで全部揃っていますか?」と窓口担当者に聞いてもらうと、他の市区町村に転籍している場合等足りない部分について教えてくれることがあります。

したがって、その場で戸籍が全部揃っているか質問してみることを強くおすすめします。

2. 被相続人の戸籍の附票(または住民票除票)

被相続人の最後の住所を確認するために必要です。戸籍の附票は本籍地で、住民票除票は住所地で取得します。

例えば、登記簿上の住所(A市)と被相続人の最後の住所(B市)が異なる場合は、A市からB市に住所を移転したことを戸籍の附票等の公的な書類で証明しなければなりません。

住民票除票の場合は、前住所までしか載らないことが多いようです。これに対して、戸籍の附票の場合は、住所移転の履歴を確認しやすいため、何回か住所を移転している場合は、戸籍の附票を取りましょう。

各相続人関係書類(遺産分割協議をする相続人全員)

1. 戸籍謄本

2. 印鑑証明書

3.(相続する人のみ)住民票の写し

不動産の所有者となる相続人は登記簿に住所と氏名が記録されますので、相続する人のみ、正確な住所と氏名を証する住民票の写しを添付します。

住民票は、相続する人のみ記載のある住民票抄本で構いません。

※本記事は、2021年4月刊行の書籍『相続について知りたいことが全部見つかる本』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。