第一章 伊都国と日向神話

1.ユダヤ系秦氏と『旧約聖書』

ベリアの子はレバ、その子はレセフ、その子はテラ、その子はタハン、その子はラダン、その子はアミホデ、その子はエリシャマ、その子はヌン、その子はヨシュア。

綏靖―安寧―懿徳―孝昭―孝安―孝霊―孝元―開化

15代目のヨシュアには、『旧約』「ヨシュア記」に多くの戦闘記録があって、その記載分量比率は36.9%に達する。彼は戦術的な騙し討ちさえ駆使して、神がイスラエルの民に約束した土地「カナン」(ヨルダン川・死海の西側で、地中海までの間の地)を獲得するのである。

このヨシュアと比較するのが相応しいのは、ヤマトを戦い取った⑥神武や⑮崇神である。その尊称は二人ともに「ハツクニシラススメラミコト」であり、初めて日本(や まと)という国を肇(はじ)められた天皇という意味である。二人の記載量を合わせると、ほぼヨシュアの記載分量に合致するのだが、しかしなぜ「ハツクニシラススメラミコト」が二人もいることになったのか。

なぜ「ハツクニシラススメラミコト」が二人もいることになったのか


前著『魏志倭人伝の中のユダヤ』では、ヤマトの意味を以下のように解釈した。《ヤマト=ヤ+ウマト=神ヤハウェの土地。神に選ばれた民・国》。

さてカナンも、神がアブラハムとその子孫に与えた土地であった。「乳と蜜が流れる」約束の地である。そのカナンを征服したのがヨシュアであり、神の土地であるヤマトを平定したのが崇神であった。

〇比較の第一段階………約束の地を征服する

約束の地を征服する

説明
・国譲り戦の対戦相手は、出雲本国が大国主とその後継者事代主、建御名方
・邪馬台国は政教分離国家。卑弥呼を支援する出雲系饒速日(大物主)も対戦相手            
・従って崇神の国譲り戦は、主として対出雲本国と対大和戦の二局面から成る
・対戦相手の崇神と大国主・饒速日は同時代人。神話形成は第二段階へ→神話をユダヤ側に合わせて、全15世代に再編する
 

※本記事は、2020年4月刊行の書籍『ユダヤ系秦氏が語る邪馬台国』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。