三国町に東尋坊といわれる名所があります。ここの巨大な柱状節理は世界でも珍しく、韓国の金剛山、ノルウェーの西海岸とともに世界三大奇勝の一つに数えられ、国の天然記念物に指定されています。その名の由来は平泉寺(福井県勝山市)の僧坊にいた悪僧「東尋坊」の名前からです。

いまから約830年前に日ごろから「東尋坊」に不満を抱いていた平泉寺の僧たちが、ある日この地に誘い出し、酒を飲ませて断崖絶壁から突き落として殺してしまいました。その恨みからいろいろ怪奇なことがおこり、この地に「東尋坊」の名がついたとのことです。

その絶壁に冬の日本海の荒波がうち寄せるさまは、迫力があり一見の価値はあります。

全国各地の名所旧跡には必ずお土産物店や食事処があります。この東尋坊にも多数の店がありますが、贔屓にしているのは宮内庁御用達「やまに水産」が経営している店「越前がにやまに水産」です。

この店は3千円もだせば、新鮮な海の幸を使ったお昼の豪華な定食をいただけます。地元甘エビの刺身や若狭かれいの唐揚げなどがテーブルに所狭しと並べられます。

お土産には甘エビやこの地方特産のラッキョウ、若狭かれいの干物、羽二重餅なども買えます。特に2階の部屋からは風光明媚な越前松島も眺めることができますので、ぜひ立ち寄り下さい。

福井には道元が1244年に開山した曹洞宗の大本山永平寺があります。大晦日NHKのゆく年来る年でよく放映される、雪深く、粉雪舞う静寂のなか除夜の鐘が鳴り響く、あのお寺です。

戒律厳しい禅の修行道場として有名で、緑豊かな境内は張りつめた空気が漂い、真夏でも涼しく、独特な雰囲気をかもしだしています。そして塵一つない光り輝く磨きのかかった廊下と階段、ふすまや屏風のたぐいまで質素なたたずまいです。

そして全体に静寂で神秘さただよう趣は、なにか俗世界から離れ、心洗われる思いです。その門前では名物のごま豆腐や永平寺そばが味わえる店が軒を連ねています。この永平寺を訪問するさいには、黒龍酒造や田邊酒造に立ち寄って、「けんぞう蕎麦」でランチをするプランをお勧めします。

※本記事は、2021年2月刊行の書籍『未来なに彩』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。