知られざる食の宝庫

冬の福井といえば11月から3月まで冬限定のえがわの水羊かんも有名です。

黒砂糖の香りと口に含んだときのあっさりとした上品な甘さは、一度食べると病みつきになります。ただ防腐剤を一切使っていないので賞味期限が短いのが難点です。価格も羊羹は高級和菓子のイメージですが、この水羊かんは庶民的な価格です。

でもなぜ冬の食べ物かは地元でもわからないようです。数年前から通年で販売されている他社の水羊かんも見かけますが、価格も少し高く、味も濃いです。年の5ヵ月だけ楽しめる福井県民のふるさとの味です。

福井には越前そばといわれる、この地方独特のおそばがあります。そば粉と山芋を混ぜて打った少し太目の麺が一般的です。その越前そばに夏でも冬でもだいこんおろしと花鰹をかけて、冷たいそばで味わう「越前おろしそば」があります。

冬は雪が降り、日本海からの北風で非常に寒い地方なのに、なぜ厳寒期でも冷たいそばなのかは不思議です。三国には親子四代続く「盛安」という有名なそばの店があります。道に面した間口から歴史を感じる店ですが、いつも繁盛しています。

私が注文するのは「おろしそばとソースかつ丼」の平日ランチセットで、この店の細めのそばがお気に入りです。近くには「新保屋」やてんぷらおろしそばが地元で人気の「そば処あおき」があります。

この地区のそば屋は水曜日を定休日としている場合が多いですから注意が必要です。北陸自動車道丸岡インターチェンジから数分の「大宮亭」は一筆啓上で全国的に有名な丸岡城の近くにあります。

お城の天守閣は上ることもできますが、階段が急で狭いのでお年寄りのかたは要注意です。

この店は地元そば屋のなかでも丸岡産のそばにこだわり、石臼自家製粉で二八そばです。特に厚みのある大きなごぼうかき揚げの乗ったそばはボリュームもありおいしく、また辛味大根を使った辛味大根おろしそばは刺激的な辛さで癖になります。

桜のシーズンに丸岡城を訪れたさいには、ぜひ寄りたい店です。

永平寺町松岡「けんぞう蕎麦」は全国の素人そば打ち名人大会で優勝したご主人が脱サラをしてはじめられた店で、いつも満席です。

100%手打ちで地元と北海道産のそば粉を使った十割そばです。蕎麦のメニューは「おろし蕎麦」と辛味大根と生醤油の特製つゆで食べる「けんぞう蕎麦」の2種類しかありません。